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目的もなく歩けば振り返ってもなにもない。景色が変わっていても何が変わったのか、きっと気付けない。変わっているのは理解できても目印がないので自分が動いたのか自分以外が動いたのか分からない。振り返るために歩けない。振り返ったときの自分のために、なにか残さなければこの先どこかで振り返った自分は虚しくなってしまう。虚しくならないようになにか残してみたくなる。ただ現状として、振り返って残っているものは嫌なものばかりである。それは残したくて残したものではない。いつか死んでしまえば振り返ることはなくなる。振り返らなければ振り返ったときに見えるものたちは見えない。見えなければ認識できない。認識のなかにないというのは私にとってないのと同じだ。それで安心してしまう。これから死ぬまでに何度か振り返ることになるのに。